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胃透視(バリウム検査)と胃カメラの違い
胃の検査には、X線検査と胃カメラ(内視鏡)検査の2種類があります。
X線検査
胃粘膜と粘膜下の病変を凹凸、粘膜ヒダ、辺緑、胃壁の伸展状況などを確認し、胃の全体像や病変の部位、大きさが確認できます。この検査では、胃潰瘍、胃ポリープ、胃がん、胃線腫、胃炎などの診断ができます。しかし、X線検査では小さな病変や、わずかな凹凸しかない病変などは診断が困難な場合があります。
胃カメラ(内視鏡)
胃カメラでは、食道、胃、十二指腸を直接観察することができます。したがって、凹凸はもちろん、色調なども確認でき、生検による病理組織学的検査も可能であるため、多くのメリットがあります。
当クリニックでは安心して検査が受けられるよう、内視鏡機器の完全な消毒を行っております。また、検査時の咽頭への刺激による嘔吐反射や精神的緊張を緩和するため、ご希望の方には安定剤の注射を行っておりますので、なるべく苦痛のない検査をお受けいただくことができます。
胃カメラの検査
最近の胃カメラの太さは非常に細くなり、医師もテレビモニターを見ながら検査ができるので、より楽に出来るようになりました。検査時間は2~3分です。
上部内視鏡は、一般に胃カメラと呼ばれ、胃がん、食道がん、十二指腸がんといった悪性腫瘍などのほかに、胃・十二指腸潰瘍、急性・慢性胃炎、胃・十二指腸ポリープ、逆流性食道炎、ピロリ菌感染症といった良性疾患の診断・検査などに有効で、上部消化管(食道、胃・十二指腸)の病気の診断や治療には無くてはならない検査機器になっています。
当クリニックでは経口内視鏡、経鼻内視鏡の検査が可能です。
経口内視鏡
まず、喉の麻酔をします。さらに当院では希望者の方に安定剤の注射をしています。
この注射をすることにより、よりリラックスして検査を受けていただくことができます。
昔の先入観を捨てて積極的に検査をお受けください。
経鼻内視鏡
鼻から入れる内視鏡です。舌の付け根を通らない為、嘔吐反射〔オエッとする感じ〕がありません。
モニターを見ながら医師と会話することも可能です。
また、安定剤の注射が必要ないので、検査後食事をしたり、車の運転をすることができます。
ピロリ菌の除菌について
当院ではピロリ菌の検査・除菌治療を行っています。
ピロリ菌とは
ピロリ菌は、胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因の一つと考えられています。
ピロリ菌に感染しても、胃がんや潰瘍が必ず発症するわけではありませんが、持続的な感染によって慢性的な胃炎が起こり、それらの病気にかかりやすくなります。
ピロリ菌の検査について
ピロリ菌の感染経路ははっきりとしませんが、衛生状態が良くない環境で育った世代の方に感染している人が多いといわれています。乳幼児期に親などから口を介して感染する場合もあり、若い世代の方にもみられる場合があります。慢性的な胃炎に悩まされていたり、胃の具合がいつも悪い方などご心配な方については、当院にて胃にピロリ菌がいるかどうかの検査を受け付けております。
検査方法は血液検査、胃内視鏡検査の際の組織生検、尿素呼気試験という診断薬を服用の上、呼気を調べて判定する検査があります。
これらの検査でもし感染していることがわかりましたら、胃がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍の予防のため、早期に除菌される事を推奨いたします。
胃内視鏡検査でピロリ菌の組織生検をした場合は保険適応となります。
ピロリ菌を除菌するには
除菌は薬の服用で行います。胃酸の分泌を抑える薬と2種類の抗生物質を1週間服用します。胃酸の分泌を抑えておき、抗生物質でピロリ菌を除菌します。
服用終了後から4週間後以降に、除菌療法の効果の判定を行います。
この方法による除菌率で、わが国ではおよそ8割程度の方が除菌に成功すると報告されています。
最初の除菌療法でうまくいかなかった場合は、違う薬を使って再度、除菌療法を行うことができます。この方法により、さらに90%以上の方で除菌が可能と言われています。
胃がんとピロリ菌の関係
ピロリ菌に感染すると、人間が本来もっている胃粘膜を防御する力が弱まり、胃の中が慢性的に炎症を起こし、発がん物質などの攻撃を受けやすい無防備な状態になります。症状が進行すると胃の痛みや不快感だけでなく、吐き気を伴う慢性胃炎や胃粘膜の組織が消えてしまう萎縮性胃炎となります。萎縮性胃炎は胃がんの発症リスクが非常に高い「前がん状態」と言われます。そして日本人の胃がんのほとんどにピロリ菌が関わっていることが明らかになっております。胃がんの発症を未然に防ぐために、ピロリ菌の除菌が推奨されるのです。
胃・十二指腸潰瘍とピロリ菌
ピロリ菌は、胃の中にある胃酸を中和することで生きています。その活動は、私たちの胃壁を傷つけ、胃を守っている粘液を減らしていき、酸の攻撃を受けやすくするので、胃炎や胃・十二指腸潰瘍を発症させてしまうのです。
ピロリ菌が胃壁に取り付くと、毒素を出し始め、胃の細胞を弱らせてしまいます。体にとって害になる菌を排除しようと、血液中の白血球やリンパ球が付近に集まってきます。
ピロリ菌と、人のからだの免疫のしくみが激しく戦うことで、胃の粘膜が炎症を起こして胃炎になったり、胃や十二指腸の粘膜が深くえぐられ、消化性潰瘍になったりすると考えられています。